2026.02.17

マグネシウム合金・アルミニウム合金の特徴・違いや用途を徹底解説

  • 化学・材料

自動車のEV化やモバイル機器の高性能化に伴い、製品の「軽量化」はますます重要な課題となっています。その解決策として注目されているのが、鉄よりも軽い「軽金属」です。特にアルミニウム合金やマグネシウム合金は、私たちの身近な製品から産業機器まで幅広く利用されています。しかし、「それぞれの違いがよく分からない」「用途に合わせてどちらを選べばいいのか迷う」という方も多いのではないでしょうか。
本記事では、代表的な軽金属であるアルミニウム合金とマグネシウム合金の特徴やメリット・デメリット、具体的な用途について詳しく解説します。素材選定のヒントとして、ぜひご参考にしてください。

目次

    軽金属とは?定義と代表的な種類

    軽金属の定義

    金属は、その密度(比重)によって「軽金属」と「重金属」に大別されます。一般的に、比重が4.0〜5.0以下の金属を軽金属と呼びます。鉄(比重 約7.87)や銅(比重 約8.96)などの重金属と比較して非常に軽く、製品の軽量化に貢献できるのが最大の特徴です。

    代表的な軽金属

    産業界で広く利用されている主な軽金属には以下のものがあります。
    アルミニウム(比重 2.7): 軽くて加工しやすく、耐食性に優れる。最も汎用的な軽金属。
    マグネシウム(比重 1.74): 実用金属の中で最も軽い。比強度や振動吸収性に優れる。
    チタン(比重 4.51): 軽金属の中では重いが、非常に強度が高く、耐熱性・耐食性に優れる。
    それぞれの金属は単体で使用されることは少なく、強度や機能性を高めるために他の金属を混ぜた「合金」として利用されるのが一般的です。

     

    アルミニウム合金の特徴と用途

    アルミニウム合金のメリット

    アルミニウム合金は、鉄の約3分の1という軽さを持ちながら、添加元素によって強度を高めた素材です。「加工性が良い」「熱伝導性が高い」「電気を通しやすい」「リサイクルしやすい」といった多くのメリットがあり、バランスの取れた優秀な素材と言えます。
    また、表面に酸化被膜を形成するため、空気中での耐食性が高いのも特徴です。

    主な用途

    その汎用性の高さから、身の回りのあらゆる場所で活躍しています。
    輸送機器: 自動車のボディ・エンジン部品、鉄道車両、航空機など
    電子機器: スマートフォンやPCの筐体、ヒートシンク(放熱部品)
    建材:窓サッシ、外壁材
    日用品:飲料缶、調理器具

    デメリットと課題

    鉄に比べると強度が劣る場合があり、溶接が難しいという側面もあります。しかし、近年ではジュラルミンのような高強度な合金や、用途に特化した特殊なアルミニウム合金も開発されています。

    アルミニウムを使用したPC

    マグネシウム合金の特徴と用途

    マグネシウム合金のメリット

    マグネシウム合金の最大の特徴は、実用金属の中で最軽量である点です。アルミニウムと比較しても約3分の2の重さしかありません。
    さらに、単位重量あたりの強さ(比強度)が高く、へこみにくいという特性があります。また、「振動吸収性」に優れているため、振動を抑えたい駆動部品や筐体にも適しています。電磁波シールド性が高いのも、電子機器には嬉しいポイントです。

    主な用途

    極限までの軽量化が求められる分野で特に重宝されています。
    モバイル機器: ノートPC、タブレット、カメラ筐体
    輸送機器: 自動車のステアリング芯金、シートフレーム
    その他: ドローン、車椅子、杖などの福祉用具

    デメリットと課題

    マグネシウムは化学的に活性であるため、「燃えやすい(発火のリスク)」「腐食しやすい」という課題があります。加工にも高い技術が必要とされるため、扱いにくいという印象を強く持たれています。

    ドローン

    【比較】アルミニウム合金とマグネシウム合金の違い

    用途に適した素材を選ぶために、両者の主な違いを表にまとめました。

    特徴 アルミニウム合金 マグネシウム合金
    比重(重さ) 約 2.7(軽い) 約 1.74(非常に軽い)
    強度(比強度) 良好 非常に優秀
    加工性 非常に良い 難しい(高い技術が必要)
    耐食性 良い 劣る(表面処理が必要)
    放熱性 非常に良い 良い
    コスト 安価 より安価
    主な特徴 バランスが良い万能素材 軽さと機能性を追求した素材

    軽金属製品を選ぶ際のポイント

    1. 「軽さ」をどこまで追求するか
      コストを抑えつつ軽量化したい場合はアルミニウム合金が第一候補になりますが、ドローンやモバイルPCなど「1グラムでも軽くしたい」「剛性も欲しい」という場合は、マグネシウム合金が最適解となります。

    2. 使用環境(熱・腐食)の考慮
      屋外や水回りで使用する場合は、耐食性の高いアルミニウム合金や、適切な防食塗装を施したマグネシウム合金が必要です。また、高温になる環境では、素材の発火点や耐熱強度も考慮する必要があります。

    3. 放熱性の必要性
      LED照明やCPU周辺など、熱を逃がす必要がある部品には、熱伝導率の高いアルミニウム合金が適しています。


    光アルファクスの軽金属ソリューション

    株式会社光アルファクスでは、一般的な軽金属の課題を解決し、お客様の製品開発を加速させる高機能な合金材料を取り扱っております。

    1. 燃えにくい「難燃性マグネシウム合金」
      従来のマグネシウム合金の弱点であった「発火の危険性」を克服した製品です。
      通常500℃程度である発火点を700℃以上まで高めました。これにより、航空機や鉄道、自動車など、高い安全性が求められる分野でもマグネシウムの軽さを活かすことが可能です。耐食性や強度にも優れています。

    2. より強く、成形しやすい「高強度アルミニウム合金」
      通常の鋳造品(ダイカスト)よりも高い強度を持つアルミニウム合金です。薄肉化しても強度が保てるため、製品のさらなる軽量化やコンパクト化に貢献します。成形性も良好で、複雑な形状の部品製造にも適しています。

    3. 熱を逃す「高熱伝導性アルミニウム合金」
      一般的なアルミニウム合金(ADC12)の1.5倍以上の熱伝導性能を持つ合金などをラインナップしています。通信機器やインバーター、LED部品などの放熱対策に効果を発揮します。

    4. 美しい仕上がり「陽極酸化用アルミニウム合金」
      アルマイト処理(陽極酸化)を行った際の発色が良く、意匠性が求められる外装部品に最適です。腐食耐性も大幅に向上させることができます。

    まとめ

    今回は、軽量化に欠かせない「軽金属(アルミニウム合金・マグネシウム合金)」の特徴や選び方について解説しました。
    アルミニウム合金: バランスが良く、加工性・放熱性に優れる。
    マグネシウム合金: 実用金属最軽量で、比強度・振動吸収性に優れる。
    それぞれの特性を理解し、適切な素材を選定することで、製品の付加価値を大きく高めることができます。
    弊社では、難燃性や高強度など、付加価値の高い特殊な合金材料を多数取り扱っております。「もっと軽くしたい」「熱対策をしたい」「強度が足りない」といった課題をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。