2025.06.19

発熱を抑え、エネルギー効率を最大化する熱対策ソリューション

  • 電子デバイス部門
  • マテリアル部門

再生可能エネルギーの利用拡大に伴い、パワー半導体の性能向上が求められています。しかし、大電力を扱うパワー半導体は必然的に発熱を伴い、エネルギーロスや機器の破損原因になります。パワー半導体×放熱材料の最適なソリューションにより、この発熱問題を解決し、エネルギー効率を最大化。環境負荷の軽減と機器の長寿命化を実現します。

目次

    なぜ今、脱炭素が求められているのか?

    緑豊かな脱炭素社会のイメージ図
    気候変動の抑制に向けて、脱炭素社会の実現は喫緊の課題であり、国や企業、個人レベルでの行動が求められています。
    この実現に向けて、社会全体で以下のような取り組みが進められています。

    • 太陽光や風力などの再生可能エネルギーの最大限導入
    • 電気自動車(EV)の普及の加速と充電インフラの整備
    • デジタル機器や情報通信機器の省エネルギー化・グリーン化

    このようなエネルギーの変革を支える重要技術が「パワー半導体」です。
    パワー半導体は電力の供給・制御を担い、自動車や産業機器、家電製品など幅広い分野で省エネルギー化を支える中核技術です。
    再生可能エネルギーの効率的な活用やEVの性能向上にも、高効率なパワー半導体の存在が不可欠です。
    脱炭素社会を加速するには、パワー半導体の技術革新と、適切な熱対策の両立が重要なカギとなります。

    「パワー半導体」が果たす決定的な役割

    現在主流のSi(シリコン)に加えて、大容量領域での高効率・高出力化向けのSiCや、 KWクラスの高効率・小型化に適するGaNといった化合物半導体の応用が進んでいます。

    対象アプリケーション

    sic-gan

    化合物半導体の応用が期待される分野

    xEV
    車両の軽量化と航続距離の延伸
    データセンター
    電源の高効率化・コンパクト化、冷却電力の削減
     SiC   SiC   GaN 
    EV(電気自動車)のフロントドライブユニット

     

    データセンター内のサーバーラックの列

     

    洋上風力発電
    変換ロス低減と軽量化で設置自由度向上
    電鉄(高速鉄道)
    走行電力の削減とスペース有効活用
     SiC   SiC 
    澄み切った青空を背景にした2基の洋上風力発電

     

    ワイヤーフレーム・スタイルで描かれた列車

     

    高効率・高出力化が進むパワー半導体ですが、
    性能向上とともに課題となるのが「発熱」です。

    高性能の裏に潜む“熱”の壁!

    大きな電力を扱うからこそ、避けられない“熱”の問題

    パワー半導体は大電圧・大電流を扱うため、発熱や電力の損失が不可避です。
    熱の増加はエネルギーロスと環境負荷を高め、誤作動や機器破損を招いて消費電力も増加させます。

    解決のカギは「素材」×「構造」

    発熱を抑えるには、デバイスの効率向上や小型化への対応が重要な課題です。
    採用する半導体素材は、デバイス性能に直結する重要な要素です。
    中でも、次世代素材として注目されているのがSiCやGaNです。

    SiC MOSFET ディスクリート製品(代表例) SiC MOSFET モジュール製品(代表例)
    sic-mosfet-discrete sic-mosfet-module sic-mosfet-module-02
    VDSS:650V、1200V品
    ID:20、30、40、58、100A品
    RDS(ON):15~140mΩ
    VDSS:3300V品
    ID:800A品
    RDS(ON):1.63mΩ
    VDSS:1200、1700、2200V品
    ID:250、400、600A品
    RDS(ON):1.5~2.8mΩ

    しかし、デバイスだけでは発熱を完全に抑えることはできません。
    熱を外に逃がす仕組み、つまり「放熱材料」の併用が必要です。

    放熱材料の役割と種類

    放熱材料は、デバイスから発生する熱を効率よく伝え・逃がすための材料です。
    正しく選定・設計することで、熱による劣化や誤作動を防ぎ、性能と安全性を高めます。

    代表的な放熱材料

    • ヒートシンク
    • 放熱グリース
    • 放熱ギャップフィラー
    • 放熱シート
    • 放熱ポッティング剤

    heat-radiation3

    放熱シート(代表例)

    パワー半導体と放熱材料との組み合わせ(例)

    構成例:パワー半導体のみ

    パワー半導体+放熱材料

    構成例:パワー半導体+放熱材料
    combo-power-semiconductor combo-power-material
    発熱により、誤作動にとどまらず機器の破損にもつながります。必要な電力も増大します。 放熱材料を使用することにより、発熱を防ぎ、誤作動、機器の破損を防ぐ。電力の増大も防ぐ事になります。

    放熱材料を使用することにより、
    全体の放熱性が向上します!

    熱対策による、性能向上とエネルギー削減

    再生可能エネルギーの利用が拡大する中、特に太陽光発電やxEVの電力変換において、パワー半導体は重要な役割を果たしています。しかし、大電力を扱うパワー半導体は必然的に発熱を伴い、その発熱はエネルギーロスを引き起こし、機器の誤作動や破損を招く恐れもあります。

    パワー半導体×放熱材料の最適なソリューション

    パワー半導体の性能向上を支えるためには、適切な熱対策が必要です。
    放熱材料を適切に選定することで、発熱を効率よく外部に逃がし、
    機器の長寿命化とエネルギー効率の向上を実現します。


    弊社のパワー半導体と放熱材料の組み合わせにより、
    貴社の発熱問題を解決し、エネルギー効率の向上と環境負荷の軽減を同時に実現可能です。

    このような課題をお持ちの方に最適です

    • ・パワー半導体の発熱問題を効率よく解決したい
    • ・環境負荷を最小化し、エネルギー効率を最大化したい

    詳細な情報をお求めの方は、お気軽にお問い合わせください。

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