電子デバイス部門
SOP Advance(E)パッケージを採用し、オン抵抗を低減した産業用機器向けNチャネルパワーMOSFET
- オン抵抗RDS(ON)を従来同耐圧類似別パッケージ品より約21%低減
- チャネル・ケース間熱抵抗Rth(ch-c)を従来同耐圧類似別パッケージ品より約15%低減

製品説明
データセンターや通信基地局などの産業用機器向けスイッチング電源に適した製品として、新パッケージSOP Advance(E)を採用した80V耐圧NチャネルパワーMOSFET「TPM1R908QM」、150V耐圧NチャネルパワーMOSFET「TPM7R10CQ5」を製品化しました。
SOP Advance(E)は、従来パッケージSOP Advance(N)と比較して、パッケージ抵抗を約65%、熱抵抗を約15%低減しました。80V耐圧品は従来同耐圧製品TPH2R408QM[注1]と比較し、ドレイン・ソース間オン抵抗を約21%低減し、チャネル・ケース間熱抵抗を15%低減しています。同様に150V耐圧品の従来同耐圧製品TPH9R00CQ5[注1]と比較し、ドレイン・ソース間オン抵抗を約21%低減し、チャネル・ケース間熱抵抗を約15%低減しています。
これらのことから、オン抵抗そのものの低減とともに熱抵抗低減により温度上昇が抑えられるため、正の温度特性を持つオン抵抗も低減できることになり、産業用機器のスイッチング電源などの低損失化、高効率化に貢献します。
また回路設計のサポートツールとして、短時間で回路動作が検証できるSPICEモデル (G0モデル) に加え、パワーデバイスの過渡特性をより正確にシミュレーションできる高精度SPICEモデル (G2モデル) も提供します。
今後も、電源の効率を高めることができるパワーMOSFETのラインアップ拡充を推進し、機器の低消費電力化に貢献します。
[注1]SOP Advance(N)パッケージ品
特長の解説
オン抵抗RDS(ON)を従来同耐圧類似別パッケージ品より約21%低減

図1 ドレイン・ソース間オン抵抗の比較(80V耐圧製品)

図 2. ドレイン・ソース間オン抵抗の比較 (150V耐圧製品)
チャネル・ケース間熱抵抗 Rth(ch-c)を当社従来製品より約15%低減
80V耐圧品のTPM1R908QMは同耐圧の当社従来製品TPH2R408QMと比較し、熱抵抗を約15%低減しています。
同様に150V耐圧品のTPM7R10CQ5は同耐圧の当社従来製品TPH9R00CQ5と比較し、熱抵抗を約15%低減しています。
熱抵抗低減により温度上昇が抑えられることで、正の温度特性を持つオン抵抗も低減できることになり、応用機器の低損失化、高効率化に貢献します。

図1 ドレイン・ソース間オン抵抗の比較(80V耐圧製品)
有力アプリケーション
- データセンター向けスイッチング電源
- 通信基地局向けスイッチング電源
新製品の主な仕様
(特に指定のない限り、Ta=25°C)
| 品番 | TPM1R908QM | TPM7R10CQ5 | |||
| 絶対最大定格 | ドレイン・ソース間電圧 V DSS(V) | 80 | 150 | ||
| ドレイン電流(DC)ID(A) | Tc=25°C |
238 | 120 | ||
| チャネル温度Tch(℃) |
175 | 175 | |||
| 熱抵抗特性 | チャネル・ケース間熱抵抗 Rth(ch-c)(°C/W) |
TC=25℃ | Max | 0.6 | 0.6 |
| 電気的特性 | ドレイン・ソース間オン抵抗 RDS(ON)(mΩ) |
VGS=10V | Max | 1.9 | 7.1 |
|---|---|---|---|---|---|
| VGS=8V | Max | - | 8.7 | ||
| VGS=6V | Max | 2.8 | - | ||
| ゲート入力電荷量 Qg(nC) | VGS=10V | Typ. | 108 | 57 | |
| ゲートスイッチ電荷量 Qg(nC) |
35 | 18 | |||
| 出力電荷量Qoss(nC) | Typ. | 111 | 106 | ||
| 入力容量Ciss(pF) | Typ. | 7360 | 4390 | ||
| 逆回復時間trr(ns) | Typ. | 57 | 45 | ||
| 逆回復電荷Qrr(nC) | Typ. | 71 | 43 | ||
| パッケージ | 名称 | SOP Advance(E) | |||
| サイズ(mm) |
Typ. | 4.9 × 6.1 | |||
