シリコーン雑学第4回(化粧品・パーソナルケア編)
- 化学・材料
- マテリアル研究開発室
化粧品やパーソナルケア製品の処方開発では、「心地よい使用感」と「機能の持続性」を両立させることが大きなテーマです。その中で、シリコーンは独自の分子構造に基づく柔軟性・安定性を活かし、処方設計に幅広い選択肢を提供してくれる素材です。種類によっては、感触を最適化したり、皮膜形成によって耐久性を高めたり、あるいは乳化安定剤として処方全体の完成度を高める役割も果たします。こうした特性は、単なる「補助成分」ではなく、製品の最終品質を左右するキーマテリアルといえるでしょう。
本コラムでは、メイクアップ・ヘアケア・スキンケア・入浴剤といった各分野で用いられる代表的なシリコーンを取り上げ、製品開発における具体的な活用シーンをご紹介します。
化粧品におけるシリコーンの役割
シリコーンは、主鎖にシリコン原子と酸素原子が交互に結合した骨格を持ち、高い柔軟性・安定性を発揮します。この構造により、温度変化や紫外線といった外的ストレスに強く、処方に組み込むことで製品の耐久性を高めることが可能です。
また、撥水性と透過性を兼ね備えており、肌に塗布した際には軽やかな感触を維持しながら外部の水分や汚れを防ぎます。ファンデーションやプライマーに配合すれば、均一でムラのない仕上がりに寄与し、処方設計者にとっては「使用感と仕上がりを両立する」ための重要な選択肢となります。
シリコーンは低刺激性でアレルギーを起こしにくいことから敏感肌製品にも利用できます。
さらに、他の成分との親和性を高めるために側鎖に様々な官能基が導入可能です。このような変性シリコーンを用いることで、乳化安定化や粘度調整にも有効です。
メイクアップ製品
フェニル変性シリコーンオイル・レジン
口紅やリップグロスに配合され、艶やかな光沢と色持ちの良さを実現。ロングラスティング処方に欠かせない素材です。- シリコーンパウダー
ファンデーションで反射光を抑え、自然なマット感を演出。光拡散によるソフトフォーカス効果で、肌を均一に見せ、化粧持ちと仕上がりの両立を可能にします。 - アルキル変性シリコーンオイル
処方中のオイル成分の伸びやすさを改善し、なめらかで均一な塗布感を提供。使用感の最適化 に貢献します。

代表的なフェニルシリコーンの構造
ヘアケア製品
ジメチルシリコーンオイル
シャンプーやコンディショナーに配合され、ベタつきのないサラサラとした仕上がりを実現。軽やかな感触を長時間キープ できます。- アミノ変性シリコーンオイル
トリートメントやリンスに含まれ、毛髪表面をコーティングし、なめらかに整えます。熱や摩擦からの保護にも効果的です。 - ポリエーテル変性シリコーン
乳化剤として働き、シャンプーでは泡立ちを改善。処方安定化と同時に、使用感の差別化 に寄与します。
代表的なアミノ変性シリコーンの構造
スキンケア製品
ジメチルシリコーンオイル
さらりとした感触を与え、べたつきを抑えた快適な仕上がりを実現します。- ポリエーテル変性シリコーン
乳化剤としてクリームやローションを安定化し、処方全体の耐久性を高めます。 - シリコーンパウダー
滑り性と心地よい触感を付与し、使用感を改善します。
保湿入浴剤
ポリエーテル変性シリコーンオイル、シリコーンエマルション
肌表面に薄い膜を形成して水分を閉じ込め、入浴後も長時間続くしっとり感を実現します。
代表的なポリエーテル変性シリコーンの構造
まとめ
シリコーンは分野ごとに「仕上がりの質感」「機能の持続」「製剤の安定化」といった多彩な役割を担い、処方開発に直結する実用的なメリットを提供します。
導入で触れた「心地よい使用感と機能性の両立」という課題に対し、シリコーンはまさにその解決策となり得る素材です。さらに、環境対応型の変性シリコーンなど新しい技術も登場しており、今後の開発テーマにも柔軟に応用できるでしょう。
弊社では、化粧品・パーソナルケア分野における幅広い用途に対応できるシリコーン製品を取り揃えております。処方設計や製品開発の具体的な課題があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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